ストラテジー株、希薄化懸念で783日ぶり安値圏 BTCを520枚追加
ストラテジー(Strategy)の株価が、株主価値の希薄化(ダイリューション)懸念を背景に783日ぶり安値圏で推移している。6月22日付のSEC提出書類で、同社が資金調達に複数の証券クラスを用い、株式や株式連動商品の発行を継続していることが改めて意識された。
同社は調達資金の多くをビットコイン購入に充て、企業として世界最大級の保有者となった。株式市場から暗号資産へのエクスポージャーを得たい投資家にとって人気銘柄でもあったが、新たな発行が積み重なるほど発行証券が増え、既存株主の持分比率が相対的に低下しやすい。株価が軟調な局面では、繰り返される増資が株主価値を圧迫しているのではないかとの見方が強まっている。
一方で同社はビットコインの買い増しを止めていない。マイケル・セイラー氏は、米ドル準備金を3億ドル積み増して合計14億ドルとしたと説明し、デジタル・クレジット証券の信用力を下支えする目的だとした。同時に、約3,500万ドルでビットコイン520枚を追加購入したことも開示。保有量は合計847,363BTCとなり、同資産の企業保有で最大規模の地位をさらに広げた。
経営陣は、資本へのアクセスがある限りビットコイン(BTC/USD)を取得する方針を維持している。支持者は長期戦略への自信の表れと受け止める一方、反対側には「保有量の拡大が株価下落や希薄化の懸念を自動的に解消するわけではない」との指摘もあり、投資家の視線は購入ペースよりも希薄化の度合いに向かいつつある。
ビットコインそのものの評価にも逆風が吹いている。株式とは異なる値動きをするヘッジ資産と見なされてきたが、今年は株高局面と市場不安局面の双方で下落する場面が目立った。今月上旬にはAI相場で世界株が高値を更新する中でビットコインが12%超下落。その後も、原油ショックを受けて米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派色を強めた局面で、ビットコインは安全資産として機能するどころか再び下落した。現在、10月のピークからは約50%下落している。
急落局面では複数回にわたり10億ドル超の強制清算が発生し、売り圧力が下げを増幅したとされる。対照的に金は上昇基調で、5,000ドルを上回り、数十年で最も好調な年の一つになったとの見方もある。こうした乖離は、ビットコインが「デジタル・ゴールド」と呼ばれるに値するのかという議論を再燃させた。
ストラテジー株はビットコイン(BTC/USD)への依存度が高いだけに、ビットコインが反発に転じれば株価センチメントの改善材料になり得る。反面、資金調達を伴う買い増しが続く限り、希薄化を巡る懸念は株価の重しとして残る可能性がある。