ウエスタンユニオン、「StableCard」を発表 37市場でステーブルコイン受取→Visa決済を即時化

ウエスタンユニオンは、送金の受取をステーブルコインで行い、そのままVisaカードで即時決済できる新サービス「StableCard」を立ち上げた。提供開始は2026年8月4日。対象は37市場で、年末までに60市場超へ拡大する計画だ。 StableCardは、自己管理型に近いデジタルウォレットとVisa対応の決済カードを組み合わせ、受取人が米ドル連動ステーブルコイン「USDPT」を保有・利用できる設計。USDPTはSolana上で発行され、米ドル準備金により1:1で裏付けられている。発行体は米連邦認可の暗号資産銀行Anchorage Digital Bank。 仕組みは次の通り。例えばニューヨークからウエスタンユニオンで送金すると、受取人は現金受取拠点に出向いたり銀行入金を待ったりする代わりに、資金をUSDPTとしてStableCardのウォレットで直接受け取る。受取後はVisa加盟店でそのまま支払いに使える。Apple PayとGoogle Payにも対応し、ラゴスやマニラの小売店でのタップ決済も、ブルックリンの店舗でのモバイル決済と同様の体験になる。 ウォレットとカードの運用基盤はRainとの提携で提供され、各市場でのコンプライアンス対応やオペレーションを担う。 新興国にとっての意味合いも大きい。アルゼンチン、ナイジェリア、トルコなどでは、米ドル建ての購買力維持ニーズが強い。StableCardにより、米国の銀行口座を持たなくてもドル連動資産で受け取り、必要なタイミングまでUSDPTとして保有できる。換算は受取時ではなく決済時に行われるため、送金の「最後の区間」での手数料や不利な換算の影響を抑えやすい。 同社は2025年10月、USDPTとデジタル資産ネットワーク「Digital Asset Network(社内呼称:DAN)」を発表し、既存の決済インフラとオンチェーン基盤の橋渡しを掲げていた。USDPTは2026年5月にローンチし、実運用での検証期間を経て今回カード機能を重ねた形だ。2026年Q1/Q2決算の説明でもStableCardを予告し、デジタル資産を試験的取り組みではなく中核戦略として位置付ける姿勢を示していた。 基盤チェーンにSolanaを採用した点も注目される。低手数料と高速な決済確定を背景に、決済用途の有力チェーンとして存在感を高めている。加えて、連邦認可銀行であるAnchorage Digital Bankが発行体となることで、他のステーブルコイン発行体には得にくい制度面での信頼性を付与している。