タイSEC、ビットコイン・イーサ現物ETFの規則案を公表へ - カストディ要件も同時に見直し

AI マーケットサマリー
タイのSECは、SET(タイ証券取引所)における国内上場の現物ビットコインおよびイーサのETFを可能にする規則案について意見公募を行っており、当初はBTCとETHに限定し、平均ネット・エクスポージャーを80%超とする要件を課す。並行して実施される意見公募では、保管に関する期待値を厳格化し、原則として国内(オンショア)の保管機関をデフォルトとしつつ、"必要かつ適切"と判断される場合に限り、適格な外国(オフショア)の保管機関を認める。これらの提案は、初期段階のリスク管理を厳格に維持しながら規制の正常化を示唆し、機関投資家のアクセスと市場構造を形作る。
影響度
● 普通
影響を受ける資産
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タイ証券取引委員会(SEC)は、ビットコイン(BTC)とイーサ(ETH)の現物上場投資信託(ETF)を国内で制度化するため、規則案の策定段階に進んだ。あわせて、暗号資産に投資するファンドが利用する海外デジタル資産カストディアンの取り扱いも見直す。SECによると、2本のコンサルテーション(意見募集)文書を公表し、9月20日まで意見を募る。 1本目は、タイ上場の現物暗号資産ETFに関する規則案。初期段階で対象となる連動資産はビットコインとイーサに限定し、各ETFは単一資産に連動する設計とする。取引市場はタイ証券取引所(SET)のみに限定。各会計年度を通じ、対象暗号資産への平均純エクスポージャーを純資産総額(NAV)の80%以上に維持することを求め、複数資産型や複雑な構造の商品ではなく、現物連動型としての性格を明確にする。 また、開始当初は海外ETFを参照する暗号資産連動商品は認めない方針だ。既存ルールの投資上限の範囲で投資信託やプライベートファンドが海外の暗号資産ETFを保有できる余地はある一方、海外暗号資産ETFに連動する預託証券(depository receipts)など、海外ETFをベースにした商品は少なくとも当初は対象外とする。国内上場ETFの利用については、投資信託・プライベートファンドがタイ国内籍の暗号資産ETFに投資できるようにする案を示した。 2本目はカストディに関する意見募集で、SECは慎重なスタンスを打ち出した。暗号資産ETFの保管は初期段階では国内(オンショア)のデジタル資産カストディアンを原則とし、SECが"必要かつ適切"と判断する場合に限り、要件を満たす海外カストディアンの利用を認める。自動的に海外カストディアンを広く許容するのではなく、個別の状況に応じて判断する余地を残す表現となっている。 投資信託・プライベートファンドが海外カストディアンを利用する場合の資格要件も提示した。海外カストディアンは、法的権限を持つ監督当局の監督下にあることが求められ、さらにSECが十分とみなす規制水準と投資家資産保護基準の下で運営されている必要がある。包括的な承認ではなく、適格性の"テスト"を設定する設計で、制度化された暗号資産投資商品の運用面でボトルネックになりやすいカストディの信頼性を重視した格好だ。 SECは、現物ETFの枠組み整備を機関投資家向けデジタル資産ハブを目指す国家戦略の一環に位置付ける。4月に実施した枠組み全体の意見募集では方向性に賛同が多かった一方、保管体制を中心に懸念が示されたとしており、今回のカストディ方針の見直しは投資家保護を軸に制度を詰める姿勢を映す。 今後の焦点は、業界が海外カストディアンの受け入れ拡大を求めるかどうか、そしてSECが"必要かつ適切"の判断基準や、適格性の立証に求める具体要件をどこまで明確化するかにある。意見募集は9月20日までで、その後、ETF規則の最終化と、国内カストディ中心の運用にどの程度の柔軟性が付与されるかが、商品化の進展を左右する見通しだ。