ストラテジーCEOのフォン・リー氏、永久優先株STRCの正常化とビットコイン買い増し再開の方針を提示

AI マーケットサマリー
StrategyのCEOであるPhong Leは、USD準備金を再構築することでSTRCの1株当たり100ドルの額面への回帰を支援し、配当のカバレッジと市場流動性の強化を目指す手順を概説した。さらに、システムテストとして位置づけられた小規模な32 BTCの売却を経て、BTCの積み増し再開と800億ドルの資本調達計画の推進意向も示した。このアップデートが重要なのは、Strategyの資金調達アクセスと信頼性が、BTCに対する限界的な機関投資家需要に影響し得るためだ。
影響度
● 中
影響を受ける資産
BTC/USDT+2.90%
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● 中立
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ビットコイン保有企業へと舵を切った旧マイクロストラテジーのStrategy Inc(ストラテジー)は、足元の懸案である永久優先株「STRC」の立て直しに動く。フォン・リー(Phong Le)CEOは、額面100ドルを下回って推移しているSTRCの価格を安定させると同時に、米ドルの手元資金を積み増し、同社の象徴でもあるビットコインの買い増しを再開する計画を明らかにした。 リー氏は自らの姿勢を示すため、STRCを100万ドル分購入。株価が額面へ回帰するとの見立てに自信を示した形だ。ストラテジーは約84万3,000〜84万5,000BTCを保有しており、STRCの値動きは経営の根幹を揺るがす問題というより、次の資金調達局面に入る前に解消しておきたい信認面の課題と位置付けられる。 注目を集めた「32BTCの売却」 同社は2026年5月下旬から6月上旬にかけて、約32BTCを約250万ドルで売却した。ビットコインの売却は2022年12月以来で、投資家の間で憶測を呼んだ。リー氏は、これは資金繰り悪化を示すものではなく、必要時に備えてビットコインの管理・換金手続きが機能するかを確認する「システムテスト」だと説明している。 STRCが抱える構造的な不安 STRCは年率換算で約11.5%の配当を支払う一方、市場では額面100ドルを下回って取引されている。背景には大きく2点の懸念がある。1つ目は、同社の米ドル準備金が細り、配当支払いを安定的に賄えるのかという不安。2つ目は、STRC自体の市場流動性が限られ、売買が価格に与える影響が大きい点だ。 リー氏の対応策は明快で、米ドルの手元資金を厚くすることに尽きる。準備金を回復させることで配当の確実性を示し、STRCが額面近辺で評価される状態を取り戻す狙いだ。本人による100万ドルの購入は、その確信を裏付ける材料として位置付けられる。 「800億ドル超」の資本戦略と100万BTC目標 より大きな枠組みでは、ストラテジーは負債と株式性の資金調達を組み合わせ、800億ドル超の調達を目指す。調達資金は追加のビットコイン購入に充て、保有量を100万BTCへ引き上げるという目標を掲げる。 2026年5月上旬時点で同社は81万8,000BTC超を保有し、取得原価は約618.1億ドル。直近の推計では保有量は84万3,000〜84万5,000BTCまで増加しており、上場企業として最大のビットコイン保有者という立ち位置は揺らいでいない。100万BTCは現状から約18%の上積みに相当する。 資金はビットコインの買い増しだけでなく、STRCの配当を含む各種支払いを米ドル準備金で賄い、保有ビットコインを売却せずに運営できる体制づくりにも充てられるという。 投資家が見るべきポイント ストラテジーの方針には、レバレッジを効かせたビットコイン投資の側面と、STRCのようなインカム型証券の発行体としての信用を両立させるという緊張関係がある。相場下落局面では、資金調達環境が悪化し、準備金からの配当原資確保が難しくなり、ビットコイン売却圧力が高まりやすい。 800億ドル超という調達目標は、同社証券に対する市場の需要が継続することが前提となる。STRC保有者にとって足元の焦点は、リー氏が米ドル準備金をどれだけ早く再構築できるかだ。年率換算約11.5%の利回りは魅力的だが、持続可能な配当という信認が伴ってこそ評価される。リー氏の自腹購入は前向きなシグナルといえる一方、同社のバランスシート規模から見れば100万ドルは限定的な金額でもある。