ARK Invest、SEC承認のもとイーサリアムでベンチャーファンドをトークン化
AI マーケットサマリー
Securitizeを通じてイーサリアム上で発行されるARK Investのトークン化ベンチャーファンドのシェアクラスに対するSECの承認は、規制されたオンチェーン資本市場にとって注目すべき一歩である。この仕組みにより、適格投資家は基礎となる企業への直接持分ではなく、ファンドレベルのエクスポージャーを得ることになり、会場の準備状況に応じてATSを通じた二次取引が可能となる可能性がある。短期的には、これはコンプライアンスに準拠したトークン化証券のデフォルトの決済レイヤーとしてのイーサリアムの位置づけを支える。
影響度
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CoinDeskによると、ARK InvestとSecuritizeは9月24日、ARK Venture Fundがイーサリアム(Ethereum)上でトークン化したファンド持分を発行し、適格投資家(accredited investors)向けに提供すると発表した。投資家が取得するのはファンド全体に対する持分であり、OpenAIやAnthropicといった個別企業の株式を直接保有する形ではないとしている。
ARK Venture Fundは、未上場・上場のテクノロジー企業に投資するアクティブ運用のファンドで、開示されている保有先にはOpenAI、Anthropic、Stripe、Databricksが含まれる。今回の開始後、Securitizeがオンチェーンでの発行と投資家オンボーディングを担い、ARKは従来どおり投資判断とポートフォリオ管理を継続する。投資家が購入するのはARKVXファンドの持分で、単一企業ではなくファンド全体のリターンとリスクを享受する。アクティブ運用のため、保有銘柄はマネジャーの売買判断により変動し得る。
規制面では、米証券取引委員会(SEC)が9月21日、ARK Venture Fundに関する修正命令を承認し、トークン化した持分クラスの設定を認めた。提出書類によれば、当該持分は1つ以上の代替取引システム(ATS)で取引される可能性があるほか、承認された別の手段での気配提示も想定されている。さらにSECは、各クラスがARKの申請で示された条件を満たし続けることを前提に、全国証券取引所への上場適格となる別クラスの設定も認めた。公告・意見募集期間中に審問請求はなく、命令は即時発効した。
もっとも、SECの承認はATSでの取引開始を意味しない。現時点で確認できるのは、Securitizeのプラットフォームを通じて適格投資家が本トークン化ファンドにアクセスできることと、発行システムをSecuritizeが担う点だ。ARKは申請当初、利用するブロックチェーンや事業者を明示していなかったが、今回の発表でローンチチェーンがイーサリアムであること、Securitizeがトークン化の発行基盤と投資家管理サービスを提供することが確定した。
SEC向け書類では、ファンドに直接申し込む投資家は該当クラスの純資産価値(NAV)を支払い、適用される販売・分配手数料の対象となる。資金受領と申込み受諾を経て株主となり、関連する税務上の扱いも引き継ぐ。トークン化持分クラスでは、移転代理人手数料やオンチェーン取引手数料など追加コストが発生し得る点も記載された。
ARKとSecuritizeの関係は約1年に及ぶ。2025年10月、ARKはSecuritizeへの戦略投資を公表し、規制下のトークン化投資商品の推進と発行インフラ整備で協業する方針を示していた。過去の提出書類では、ARK Venture FundがSecuritizeの株式を保有し、1,000万ドルの転換社債も保有していることが示されている。ARKにとって今回のローンチは、ファンド商品をオンチェーンへ拡張する取り組みであると同時に、Securitizeとの提携を一段と深める動きとなる。
補足として、SECは以前、一定の米国株についてトークン化版の取引を認める5年間の条件付き免除を適格な取引施設に付与していたが、これは個別企業株を対象とする枠組みだった。今回の承認は投資会社法(Investment Company Act)の下でファンド持分をトークン化する点が異なる。