米10年債利回り5.31%でもナスダック最高値更新、AI関連が上昇をけん引
AI マーケットサマリー
ナスダックは10年米国債利回りが5.31%近辺で推移する中でも過去最高値を更新した。AI関連の決算モメンタム(例:エヌビディア、ブロードコム、主要クラウドプラットフォーム)が、高い割引率によるバリュエーションへの逆風を相殺している。米国の雇用統計が弱めとなったことも、短期的なFRBの利上げ確率を低下させ、成長株への圧力を和らげた。一方で市場の裾野は依然として弱く、メガキャップ・テクノロジー主導の集中した上昇を示唆している。
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米株式市場でハイテク株中心に買いが入り、ナスダック総合指数は1.06%高の27,477.31と過去最高値を更新した。S&P500種株価指数も0.67%上昇。エヌビディアとブロードコムはいずれも約2.1%高となり、マイクロソフトやメタなど大型テクノロジー株も相場を押し上げた。
一方で米10年国債利回りは約5.31%まで上昇し、2002年以来の高水準となった。一般に利回り上昇は将来利益の現在価値を押し下げ、無リスク資産の魅力を高めるため、テクノロジー株には逆風とされる。特に数年先の利益期待にバリュエーションが依存しやすい成長株では、この影響が大きい。
それでも足元では、AIが生み出す利益成長が金利上昇による評価面の圧力を相当程度相殺している。市場は第3四半期の決算シーズンに向け、S&P500企業利益が前年同期比で30%超の増益になるとの見方を織り込みつつあり、AI関連企業が増益寄与の大きな部分を占めるとみられている。すでにテクノロジー企業の利益やAI投資がアナリスト予想を繰り返し上回る局面が続いており、投資家にとっては金利計算の前提が変わりつつある。割引率の上昇は将来利益の価値を下げるものの、実際の利益が急速に伸びればその損失を埋めやすい。
マイクロン、エヌビディア、主要クラウド企業の動向は、AIインフラ需要が投機的な期待にとどまらず、売上として顕在化しているとの見方を補強した。10年債利回りが5.31%まで上昇する中でも、ナスダックが最高値を更新したのはこのためだ。
金融政策への警戒も和らいだ。投資家が注視する金利シグナルは国債市場だけではない。米雇用統計が市場予想を下回ったことで、10月に連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げに踏み切るとの観測が急速に後退。ロイターによれば、利上げの示唆確率はおよそ70%から24%へ低下した。長期金利が高止まりする中でも、近い将来の利上げリスクが薄れたことで成長株には追い風となった。
原油安も株式の支えになった。中東からの輸出増加を受け、ブレント原油は100ドル近辺へ戻す動きとなり、追加のエネルギーショックがFRBにより強いインフレ対応を迫るとの懸念が一部後退した。結果として、AI関連の利益成長と短期的なFRBリスク低下が、長期金利上昇のマイナス影響を上回る市場環境となっている。
もっとも、最高値更新の陰で相場の裾野は狭い。月曜日時点で、ナスダック構成銘柄のうち50日移動平均線を上回って取引されていたのは約31.5%にとどまり、S&P500でも同水準を上回るのは約27%だった。9月にかけて大型テクノロジーが上昇する一方、多くの銘柄が下落したという市場の二極化を映している。