メキシコ、2027年3月からビットコイン含む暗号資産送金を全件KYCへ

AI マーケットサマリー
メキシコの財務公債省(SHCP)は、2027年3月1日からすべての暗号資産移転に対して完全なKYCを義務付け、従来のデ・ミニミス報告閾値を撤廃する改正AML規則を提案した。この枠組みでは、リスクベースの顧客分類、強化デューデリジェンス、25%の保有比率閾値でのUBO特定、ポリシーマニュアルの提出、ならびに2027年6月までの自動取引モニタリングが追加される。コンプライアンスの強化は運用コストを押し上げ、国内取引活動と流動性を低下させる可能性がある。
影響度
● 普通
影響を受ける資産
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▼ 弱気
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メキシコ財務公債省(SHCP)は、マネーロンダリング対策(AML)規則の改正を公表し、国内で行われるビットコインを含む暗号資産(仮想資産)の送金について、2027年3月1日から全件で本人確認(KYC)を義務付ける。2026年8月上旬に改定された「連邦反マネーロンダリング法に関する一般規則」は、2018年に成立したフィンテック法以降で最大規模のコンプライアンス要件の拡張となる。 新規則では、仮想資産取引を法的に「脆弱な活動(vulnerable activities)」に分類。この区分に該当すると、取引を仲介・取扱う事業者に対し、複数の遵守義務が連動して課される。 改正枠組みはリスクベースで設計され、単に身分証を取得するだけでは不十分となる。事業者は顧客をリスク水準で区分し、高リスク口座には強化デューデリジェンスを実施する必要がある。さらに、取引当事者の実質的支配者(UBO)について、持分比率25%以上を保有する者の特定・記録を求める。 UBOの25%基準は、法人を介して名義を隠したまま暗号資産を移転する典型的なスキームを封じる狙いがある。送金主体となる法人の4分の1以上を保有する場合、本人情報が登録対象となる。 暗号資産サービス事業者は、2027年3月の期限までに社内の方針・手順マニュアルを改定し提出しなければならない。これは任意のガイドラインではなく、当局が監査で確認できる拘束力のあるコンプライアンス文書と位置付けられる。疑わしい取引を検知する自動モニタリングシステムは、2027年6月1日までに稼働が必要で、規則施行後に3カ月の猶予期間が設けられる。全面的な規制当局監査は2028年の開始が見込まれている。 このほか、登録、トレーサビリティ(追跡可能性)、暗号資産の保管(カストディ)に関する要件も強化される。各取引には明確な記録の裏付けが求められ、カストディの体制も新たな審査対象となる。 今回の改正は、2018年のフィンテック法が築いた枠組みを土台にしている。同法は暗号資産取引所のライセンス要件や報告義務、監督の基本枠組みを定め、デジタル通貨を電子的決済手段として認めた一方、法定通貨としては位置付けなかった。 従来の規制には抜け穴もあった。以前の報告基準は約3,500米ドルとされ、小口取引が監視の網をすり抜ける余地があった。新枠組みでは金額にかかわらず全送金で識別情報の取得が必要となり、この緩衝域が事実上解消される。 仮想資産の交換や保管などに関与する非金融事業者は、国税庁に相当するSAT(税務行政サービス)への登録と、AML上の責務の履行を求められる。2027年3月の対応期限により、市場参加者には方針と業務システムを整備するため約7カ月の準備期間が与えられる。