ECB、トークン化資産の中央銀行マネー決済を可能にする"Pontes"を始動

AI マーケットサマリー
ECBのPontesの開始により、DLTプラットフォームをTARGETサービスに連携させることで、中央銀行マネーによるトークン化資産のホールセール決済が可能となり、決済リスクを低減し、デリバリー・バーサス・ペイメントの整合性を向上させる。主要銀行およびインフラ提供者のオンボーディングに加え、ECBが自らの資金をトークン化証券に投資する計画は、欧州におけるトークン化金融の機関投資家による採用が加速していることを示しており、ユーロ圏の金融インフラに対する需要や流動性環境を支える可能性がある。
影響度
● 普通
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欧州中央銀行(ECB)とユーロ圏各国の中央銀行は、分散型台帳技術(DLT)を活用し、トークン化資産のホールセール取引を中央銀行マネーで決済できる新たな仕組み"Pontes"を週明けに立ち上げた。ユーロシステムが掲げる"トークン化時代に対応した中央銀行マネー"に向けたプログラムの第一歩で、全面的な実装は2028年を見込む。 Pontesは、市場のDLTプラットフォームとユーロシステムのTARGETサービスを接続し、トークン化された取引を最も安全性の高いマネーで決済できるようにする。決済モデルは二本立てで、参加者はユーロシステムのDLTプラットフォーム上でキャッシュトークンにより決済するか、リアルタイムグロス決済(RTGS)であるT2で決済する。現金側のレッグがT2で完了した時点で最終決済となり、HashLinkプロトコルがデリバリー・バーサス・ペイメント(DvP)などのオール・オア・ナッシング取引を支える。 設計の土台となったのは、ユーロシステムが2024年に実施した探索的取り組みで、官民64の参加者とともに50件超のトライアルを行った。 当初の利用開始グループとして、ABANCA、BayernLB、Caisse des Dépôts et Consignations、Cecabank、Deutsche Bank、Deka Bank、DZ Bank、European Investment Bank、KfW、Memo Bank、NRW.BANK、Santander、Société Généraleの13社が参加する。DLTオペレーターはAxiology、Cashlink、Clearstream、SWIAT。ドイツ連邦銀行(Deutsche Bundesbank)もオンボード済みという。 ECB専務理事のピエロ・チポローネ氏は"Pontesは中央銀行マネーの安定性と信頼を欧州のトークン化金融エコシステムにもたらす。規模拡大に向けた重要な優位性になる"と述べた。クリスティーヌ・ラガルド総裁は、ユーロシステムが"デジタル時代に、より統合され、革新的で、強靱な欧州金融市場"の実現に取り組んでいると語った。 関連発表としてECBは、自らの資金の一部をトークン化証券に投資するための準備作業を開始したと明らかにした。決済はPontesを通じて中央銀行マネーで行う。当面の対象は、ユーロ建てで、ユーロ圏の政府・地方政府・政府系機関および欧州の超国家機関(supranational institutions)が発行する証券。準備作業の完了後、理事会が運用の詳細と開始時期を決定する。ECBは、約定から決済、ポートフォリオ管理までの一連の実務で現場経験を積む狙いがあるとしている。 Pontesの始動は、中央銀行マネーのオンチェーン化を促すECBの従来の提言に続くもので、Fnalityによる中央銀行マネー・ネットワークなどのホールセール決済プロジェクトと軌を一にする。Pontesは段階的に拡張し、機能強化や稼働時間の延長を順次導入する計画。ユーロシステムは、欧州のトークン化金融エコシステムに向けた設計図を2028年までに示す"Appia"イニシアチブの検討も継続する。