DWF Labs系2社、ロックアップ違反でBitGoを1億4100万ドル提訴

DWF Labsの子会社DWF MaasとFalcon Digitalが、暗号資産カストディアンのBitGoをロンドン高等法院に提訴した。CoinDeskの報道によると、請求額は1億4100万ドル。Falcon FinanceとESPORTSのトークンを3カ月のロックアップ期間が切れる前に割引価格で売却したと主張している。 Financial Timesが10月9日に伝えた訴訟によると、2つの投資ビークルが大量のポジションを保有するなかで早期売却がトークン価格を押し下げたという。原告側は、BitGoが私募トークン販売で受けた割引は資産をロックしたままにすることが条件だったと指摘。BitGoは最初の解除予定の約2カ月前にトークンを取引所へ移したとしている。 DWFは4月と5月にBitGoへ問題を提起し、カストディアンが保証を出さなかったため法廷闘争に踏み切った。価格下落に関連する損害として1億1400万ドルの賠償を求めている。 訴えの内容 争点は2つの資産。Falcon Finance(FF)は3月初旬のロックアップ開始時点で約0.08ドルだったが、4月下旬には約0.07ドルへ下落。ESPORTSは3月中旬の約0.28ドルから6月初旬に0.07ドルまで下げた。英領バージン諸島のDWF Maasとパナマ拠点のFalcon Digitalは、BitGoの早期売却が残存保有分に直接損失をもたらしたと主張する。 BitGoは2026年1月、ティッカーBTGOでニューヨーク証券取引所に上場した初のデジタル資産企業。現時点で主張に回答しておらず、DWFとBitGoはいずれもコメント要請に即座に応じなかった。疑惑は法廷で検証されていない。 カストディ紛争が重要な理由 ロックアップ付きの私募トークン販売は、発行体が買い手の即時売り抜けを防ぎながら資金を調達する標準的な手法だ。カストディアンによるロックアップ資産の取り扱いをめぐる紛争は、業界全体でロックアップ条件がどう執行されているか、とりわけカストディと売買・決済を一体で提供する企業への監視を強める可能性がある。 本件は、買収と新製品で今年事業を広げてきたBitGo(NYDIGのトレーディング部門を4250万ドルで買収する契約を含む)と、Falcon Financeエコシステムへの投資に決済商品Falcon Cardを抱えるDWF Labsの双方にとって、新たな法的争点となる。 今後の展開 ロンドンの裁判所が契約違反の請求を認めるかは、公開されていない売買契約上の具体的なロックアップ条件にかかっている。カストディ、売買、決済が一社に集約された場合にトークンのロックアップがどう扱われるかの参考例になり得るが、審理期日は報じられておらず、双方とも現時点で抗弁や請求の全容を明らかにしていない。