Coldcardの脆弱性悪用で1,778BTC流出、被害額は約1億1,200万ドル
AI マーケットサマリー
シード生成の欠陥に起因するColdcardのファームウェア脆弱性により、連携した攻撃者が数千のアドレスから約1,778 BTC(約1.12億ドル)を流出させたとされ、セルフカストディにおける運用上のシステミックなリスクが浮き彫りとなった。パッチ適用済みのファームウェアでも、脆弱なバージョンで作成されたウォレットの安全性は確保されず、シードの再生成と資金移行を余儀なくされる。この事案は、ハードウェアウォレットに対する市場の信頼に圧力をかけ、ウォレットベンダー全体でのセキュリティ精査を高め、影響を受けたユーザーが鍵をローテーションすることでオンチェーンの動きが一時的に増加する可能性がある。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
BTC/USDT-1.14%
AI インサイト · BTC/USDTAI インサイト
▼ 弱気
今すぐ取引
⚠️ AI によって生成されたインサイトはニュースコンテンツに基づくものであり、情報提供のみを目的としています。投資助言を構成するものではなく、BingX の見解を示すものでもありません。投資にはリスクが伴います。責任ある取引を心がけてください。
ハードウェアウォレット「Coldcard」を手がけるCoinkiteは、同製品のファームウェアに起因する脆弱性を突かれ、過去最大級とみられるハードウェアウォレット侵害の余波に直面している。攻撃者は5,000超のアドレスから合計1,778BTC超を流出させ、相場ベースの被害額は約1億1,200万ドルに達した。
盗難は2026年7月30日に始まった。開始から41分で1,000超のアドレスから1,000BTC超が一気に移され、被害は急拡大。2026年8月中旬時点では、攻撃者側が管理するウォレットに約1,531BTCが未移動のまま残っている。
発端は2021年3月に提供されたファームウェア「4.0.1」にさかのぼる。この更新で、シードフレーズ(資産全体を管理するマスターキーの生成)を作る工程に欠陥が混入した。本来はデバイスの専用ハードウェア乱数生成器(RNG)からエントロピーを取得すべきところ、ソフトウェアの疑似乱数生成器(PRNG)に迂回してしまう実装だったという。暗号用途で予測可能な乱数は致命的で、攻撃者にとっては侵入口になり得る。
Galaxy Researchの調査によれば、関連する問題は2025年5月の時点で開発者からCoinkiteに指摘されていた。脆弱性は十分に長い期間修正されず、攻撃者が大規模に悪用するためのツールを整備・投入した可能性がある。影響はColdcardの複数モデル(Mk2、Mk3、Mk4、Q、Mk5)に及び、少なくとも12組の別々の攻撃者が同一の根本要因を利用していたことが確認された。
Coinkiteは攻撃開始当日の7月30日にセキュリティアドバイザリを公表し、7月31日までに該当モデル向けの修正版ファームウェアを提供した。CEOのRodolfo Novak氏は侵害について公に謝罪している。
利用者側で重要なのは、ファームウェア更新だけでは不十分という点だ。問題はウォレット作成時のシード生成そのものを損なうため、脆弱なバージョン上で生成されたシードフレーズは、その後に最新ファームウェアへ更新していても危殆化している可能性がある。Coinkiteは、影響を受ける利用者に対し、修正版ファームウェア上で新しいシードフレーズを生成し、資産を新ウォレットへ直ちに移すよう求めている。
今回の事案は、自主保管(セルフカストディ)をめぐる議論にも影を落とす。暗号資産業界は中央集権型取引所より安全だとしてセルフカストディを訴えてきたが、ファームウェアレベルでハードウェアウォレットが侵害された場合、利用者は最後の防波堤でありながら、資産が消えるまで異常に気づきにくい。
2021年に混入した不具合が2025年に指摘され、2026年に武器化されたという時間軸は、ハードウェアウォレットを"最高水準の安全"と位置づけてきた業界にとって重い。競合各社が消費者とセキュリティ研究者から問われるのは、RNG実装が本当にハードウェア由来のエントロピーを使っていることをどう検証するのか、そして問題が判明した際に検証済みの修正をどれだけ迅速に提供できるのか、という点になる。