ブロックチェーン協会、ステーブルコイン規制でP2P送金の線引き明確化を要請
AI マーケットサマリー
ブロックチェーン協会は米国の規制当局に対し、ステーブルコインの顧客識別ルールを発行体と顧客の直接的な関係に限定し、当局がステーブルコイン取引の約99%と推計する独立したP2P送金およびセカンダリー市場での活動を明示的に除外するよう求めた。これが最終規則に反映されれば、発行体および仲介業者のコンプライアンス上の不確実性と運用負担が軽減される一方で、AMLの焦点はオン/オフランプおよびカストディ関係に残ることになる。市場は規制の明確化によるリスクの再評価に反応する可能性がある。
影響度
● 普通
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米ブロックチェーン協会は、GENIUS法に基づき検討が進む「許可制ペイメント・ステーブルコイン発行体」向けの顧客確認(CIP)案を巡り、顧客確認の対象を発行体と直接取引関係にある顧客に限定するよう、米5当局に求めた。独立したP2P(ピア・ツー・ピア)送金まで本人確認義務を広げないことを明確化すべきだとしている。
同協会は8月21日の意見募集期限までにコメントを提出し、8月24日に見解を要約して公表した。デジタル資産の不正利用を防ぐという目的や提案の骨格には賛同しつつ、用語定義の明確化、重複する確認作業の削減、デジタルID技術の活用余地を求めた。
当局案は6月、FinCEN(金融犯罪取締ネットワーク)、OCC(通貨監督庁)、FRB(連邦準備制度理事会)、FDIC(連邦預金保険公社)、NCUA(全米信用組合管理局)が共同で提示したもの。発行体に対し、書面化したリスクベースの顧客確認プログラムの整備を義務付け、氏名、住所、生年月日(法人は設立日)、識別番号などの収集と、書類・非書類手段による本人確認を求める。記録は原則として口座閉鎖後5年間の保存となる。
一方で同協会は、規制の適用場面は、発行体がステーブルコインを直接発行、償還、転換、買い戻し、またはカストディ(保管)する場合に限るべきだと主張した。
P2P送金については、発行体が取引を仲介、促進、承認していない限り、本人確認義務を負わせるべきではないと当局に要請。当局案では一般に、二次市場での活動は「顧客」の定義から除外される方向で、自己管理型ウォレットからの送金、取引所での売買、加盟店への支払いなどが例示されている。5当局は、ステーブルコイン取引の約99%が二次市場で行われているとの推計も示した。
同協会はさらに、口座(account)、顧客(customer)、デジタル資産サービス提供者(digital asset service providers)といった用語の定義を明確にし、ステーブルコイン関連のコンプライアンス義務が重複しないよう整理することを求めた。
デジタルIDの取り扱いも焦点となっている。当局案は既に書類・非書類による確認手段を認めており、最終規則でデジタルIDや検証可能なクレデンシャル(verifiable credentials)をどのように位置づけるべきかも問いかけている。発行体は、連邦規制下の金融機関が実施した一定の確認に依拠することも可能だが、その場合は契約、年次認証、合理的な手続きが必要で、最終的な遵守責任は発行体に残る。
意見募集は8月21日に終了し、当局は提出意見を精査した上で最終規則を策定する。最終規則の公表後、発行体には12カ月の対応猶予が与えられる見通し。より広いGENIUS法の枠組みでは、米国での無免許によるペイメント・ステーブルコイン発行を2027年1月18日から制限することが見込まれている。