ブラックロック、欧州でオンチェーンMMFを提供開始 ICSのトークン化受益権をイーサリアム上で発行(運用総額3110億ドル)
AI マーケットサマリー
ブラックロックは、欧州における3,110億ドル規模のInstitutional Cash Series UCITSマネー・マーケット・ファンドの一部について、トークン化されたシェア・クラスを立ち上げ、J.P.モルガンのKinexysを通じてEthereum上でトークンをミントした。この構造は、公式の株主名簿をオフチェーンに保持しつつ、準拠した24時間365日のウォレット間送金と、ほぼリアルタイムの透明性を可能にする。これは本番水準の機関投資家向け導入であり、規制下のファンドのトークン化および担保ワークフローの決済インフラとしてのEthereumの役割を強化する。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
ETH/USDT-0.18%
AI インサイト · ETH/USDTAI インサイト
▲ 強気
今すぐ取引
⚠️ AI によって生成されたインサイトはニュースコンテンツに基づくものであり、情報提供のみを目的としています。投資助言を構成するものではなく、BingX の見解を示すものでもありません。投資にはリスクが伴います。責任ある取引を心がけてください。
ブラックロックは、欧州のオンチェーン市場に本格参入する。Institutional Cash Series(ICS)マネー・マーケット・ファンド(MMF)の一部について、合計3110億ドル規模の運用資産を背景に、トークン化した新たな受益権クラスを欧州で提供開始した。ブラックロックにとって、欧州で初めてオンチェーンでファンドにアクセスできる枠組みとなる。
今回の対象は、6本のICSファンドにまたがる12のトークン化受益権クラス。ユーロ、英ポンド、米ドルの各運用戦略をカバーし、分配型と再投資(累積)型の双方を用意する。
トークンは、J.P.モルガンのブロックチェーン部門Kinexysを通じてイーサリアム上で発行される。Kinexysがトークンの発行・償却(minting/burning)を担い、オンチェーン上のトークンと従来の株主名簿(受益者台帳)をつなぐ役割を果たす。各トークンはファンドの1口に対応する一方、公式の株主名簿は引き続きファンドの移管代理人(transfer agent)が管理する。
ブラックロックによれば、スマートコントラクトにより、承認済み投資家のウォレット間で保有分を移転できる設計とし、24時間365日のピア・ツー・ピア移転と、ほぼリアルタイムの可視性を実現する。
狙いは、欧州におけるトークン化ファンドの取り組みを実証段階から本番運用へ進め、規制下のファンド枠組みの上にブロックチェーンの効率性を重ねる点にある。ブラックロックは、トークン化受益権クラスを、企業財務(トレジャリー)運用、デジタル担保、銀行・ウェルス領域の販売チャネルにおける活用手段として位置付ける。決済の迅速化や透明性向上の恩恵が見込める領域だ。
Kinexysのグローバル市場開発責任者Kara Kennedy氏は、"トークン化は概念から実行へ移った"とコメント。ブラックロックのキャッシュ配分(Cash Distribution)部門グローバル責任者Beccy Milchem氏も、今回の提供開始を"投資家がキャッシュにアクセスし管理する方法における重要な進化"と述べた。
規制面では、基礎となるファンドはいずれも欧州UCITS規制下の公的債務(public debt)を投資対象とする、コンスタントNAVおよび低ボラティリティNAVのMMF。販売対象はプロフェッショナルおよび適格顧客に限られ、リテール向けではない。提供地域は、バミューダ、エストニア、フランス、ドイツ、アイルランド、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、シンガポール、スペイン、スウェーデン、英国。ブラックロックのデジタルキャッシュ責任者Hannah Winter氏は、トークン化受益権でも元来の資本保全、流動性、リスク管理の基準を維持すると強調した。
今回のICSの動きは、ブラックロックが別途進めるトークン化戦略の延長線上にある。前日には、Solana、Ethereum、StripeのTempo上でトークン化MMFを記録する取り組みも公表しており、Securitizeを移管代理人として、ステーブルコイン準備金管理を意識した商品だという。
同社は2024年3月、イーサリアム上でトークン化ファンドBUIDLを立ち上げ(最低投資額は500万ドル)、その後8つのネットワークへ展開。運用残高は26億ドル超に拡大した。ラリー・フィンクCEOやロブ・ゴールドスタインCOOらは、トークン化を"市場インフラにおける次の大きな進化"と位置付けている。
一方で、ICSの新クラスは3110億ドルの既存資産を背景にするものの、どの程度の資産がオンチェーンへ移行すると見込むのかは開示していない。
今回の提供開始は、規制下のUCITSビークルとブロックチェーンネイティブな決済・移転性を組み合わせたトークン化ファンド基盤に対する、機関投資家サイドの追い風を改めて示す。資産運用会社と銀行系ブロックチェーン基盤の協業が深まり、トークン化が実験からスケーラブルな商品へ移行しつつあることが浮き彫りになった。