ブラックロック、機関投資家向けのステーブルコイン準備資産ファンドをソラナなどで提供開始
AI マーケットサマリー
BlackRockがトークン化されたマネー・マーケット・リザーブ・ファンド(BRSRV)を立ち上げ、持分の所有権をSolanaとEthereum上に記録することは、規制下のキャッシュ・マネジメント商品におけるパブリック・ブロックチェーン基盤の機関投資家による採用が加速していることを示している。同ファンドをGENIUS Actの下で適格なステーブルコイン準備資産として位置付けることは、暗号資産への直接的なエクスポージャーなしに、オンチェーン流動性とコンプライアンスの物語を強化する。この動きはSolanaを機関投資家向けグレードのインフラとして裏付け、トークン化およびステーブルコイン隣接市場全体のセンチメントを押し上げる可能性がある。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
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▲ 強気
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ブラックロックは、ステーブルコインの準備資産ニーズを見据えたトークン化マネー・マーケット・ファンド「BlackRock Stablecoin Reserve Daily Fund(BRSRV)」を立ち上げた。ソラナ(Solana)、イーサリアム(Ethereum)、テンポ(Tempo)の各ブロックチェーン上で持分管理を行い、同社のトークン化商品をソラナにも拡大する。あわせて「BlackRock Treasury Select Liquidity Fund」のトークン化持分(BSTBL)も提供する。
同社のジョン・ステイル(John Steil)グローバル・キャッシュ・マネジメント製品・プラットフォーム責任者は、現金は投資家、企業、金融機関にとって中核的な資産であり、ステーブルコインやトークン化金融商品の裏付けとなる高品質な準備資産への需要拡大が、伝統的な投資商品とデジタル資産インフラの接続機会を生んでいると説明した。
提出された目論見書によれば、ファンド持分の所有記録はソラナ、イーサリアム、テンポの各ネットワークに記録される。投資家は、ファンドの移転代理人が管理する承認済みデジタルウォレットを通じてトークン化持分を保有し、許可されたブロックチェーン基盤上で所有情報が管理される。ブラックロックは、複数のパブリック・ブロックチェーンで稼働可能な規制下の仕組みでトークン化持分を発行し、将来的に追加ネットワークにも対応できる柔軟性を備えるとしている。
一方で、運用対象は伝統的な低リスク資産に限定する方針を明確にした。ポートフォリオは現金、短期米国債、米国債を担保とするオーバーナイト・レポ取引のみで構成され、暗号資産やその他デジタル資産には直接投資しない。米国のマネー・マーケット・ファンドを規律する1940年投資会社法のRule 2a7の枠組みを維持し、ブロックチェーンは投資判断ではなく持分の記録・管理のみに用いられる。
設計面では機関投資家を強く意識したコンプライアンス重視の運用となる。適格ウォレットは事前承認と本人確認が必須で、移転代理人は必要に応じて移転制限のほか、トークン化持分の凍結、取消、再発行が可能。最低投資額は300万ドルに設定された。
ブラックロックは、米国で成立した決済用ステーブルコインを規定するGENIUS Actの下で「適格準備資産(eligible reserve asset)」となることを目的に同ファンドを組成したと説明した。ただし、今後の規制変更により、ステーブルコイン発行体が準備資産として同ファンドを利用できるかどうかが影響を受ける可能性があるほか、ブロックチェーンのネットワーク障害やスマートコントラクト上の問題が取引処理に影響し得る点も示した。
今回の取り組みは、同社のトークン化戦略の延長線上にある。ブラックロックは2024年3月にトークン化マネー・マーケット・ファンド「BUIDL」を導入し、運用資産は26億ドル超に拡大している。GENIUS Act成立後には、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)やフィデリティ(Fidelity)もステーブルコイン準備金の運用を意識した商品を投入しており、機関金融によるブロックチェーン活用が運用レイヤーとして加速している。
低リスクのマネー・マーケット運用とトークン化された所有管理を組み合わせることで、ブラックロックはブロックチェーンを既存金融を置き換える技術ではなく、機関投資家の流動性管理、ステーブルコイン準備、次世代のデジタル金融サービスを支える実務基盤として位置付ける狙いだ。