Bitdeer、ノルウェーでAIコロケーション契約(最大80億ドル規模)を締結 株価上昇
AI マーケットサマリー
Bitdeerがノルウェーで締結した16年、約47億ドルのAIコロケーション契約は、大手マイナーが循環的なビットコイン採掘ではなく、長期・契約型のデータセンターキャッシュフローへと信頼できる転換を遂げつつあることを示している。この取引は、NVIDIAのGPUを用いたAI/HPC向けに121MWのIT容量を支えるが、実行は約5億ドルの設備投資、非開示の負債ファイナンス条件、および条件付きの信用補完に左右される。この発表は、セクター全体で進むマイナーからAIへのピボットを改めて裏付けるものであり、暗号資産マイニングの経済性への波及の可能性がある。
影響度
● 普通
影響を受ける資産
BTC/USDT+0.82%
AI インサイト · BTC/USDTAI インサイト
▲ 強気
今すぐ取引
⚠️ AI によって生成されたインサイトはニュースコンテンツに基づくものであり、情報提供のみを目的としています。投資助言を構成するものではなく、BingX の見解を示すものでもありません。投資にはリスクが伴います。責任ある取引を心がけてください。
暗号資産マイニング事業も手がけるBitdeerが、ノルウェーで長期のAIコロケーション契約を取り付けた。将来の収益源としての期待が高まり、株価も急伸した。
Bitdeerは8月4日、同社のTydal Data Center部門がVolta Tydal ASと、ノルウェーでAIおよび高性能計算(HPC)向けキャンパスを建設・運営するためのコロケーションおよびサービス契約(16年)を締結したと発表した。契約上、VoltaにはクリティカルIT容量121MW(総電力として約133MW相当)が割り当てられる。
Bitdeerによると、当初16年の契約支払いは概算で約47億ドル。1回限りの8年更新オプションが行使されれば、24年累計で約80億ドルまで拡大する可能性がある。
計画ではVoltaが、NVIDIAのGPUを用いた先端AIラボを同拠点で運用する。技術提供はDell Technologiesが担う。一方、最終顧客は公表されていない。
Bitdeerは電力ポートフォリオの一部を、ビットコインの自社マイニング偏重からAIコロケーションへ振り向ける方針を進めている。マイニングの収益は相場変動の影響を受けやすいのに対し、コロケーションは長期契約に基づく安定的な収益が見込みやすい。
同社の説明では、賃料は当初16年間の平均で1kWあたり月約202ドル。電力費用はテナント側が払い戻し、契約支払いは年3%でエスカレーションする。経営陣は、IT 1MWあたりの平均年間売上高を約240万ドル、プロジェクトの純営業利益(NOI)マージンを約90%と見込む。これらは同社推計(non‑GAAP)で、資金調達コスト、減価償却、全社費用など連結損益に影響する項目は含まれない。なお、Tydalサイトの所有権はBitdeerが維持し、本件に伴う株式やワラントの発行はないとしている。
設備面では、Bitdeerは3月にData Center Installations ASと契約し、NVIDIAのリファレンス設計に基づきTydalを総容量約180MW規模の施設へ転換する計画を進めてきた。今回のVolta契約は、そのうち計画総容量約133MWをカバーする。さらにBitdeerは、2027年後半にAI/HPC顧客向けとして合計47MWの追加ホール2棟を開発中。
一方で、プロジェクトにはなお約5億ドルの設備投資(capex)が必要とされ、契約IT容量1MWあたり約400万ドルに相当する。Bitdeerは建設資金を負債調達で賄う方針だが、調達条件(コスト、期間、ストラクチャー)は開示していない。
信用補完については、Voltaの義務が、J.P. Morganの関係会社と別のグローバル銀行の関係会社が手配する信用状(L/C)約13億ドルで支えられる見込み。ただし、これらの手配は一般的な条件の充足が前提となる。Bitdeerは、この信用補完パッケージに紐づく所定のマイルストーンをVoltaが達成できない場合、契約を解除できるとしている。
契約条件には注意点もある。Voltaは、16年の基本契約期間が明記されているにもかかわらず、10年経過後に手数料なしで解約できる権利を持つ。8年の延長オプションも行使が保証されるものではない。建設遅延、資金調達コスト、機器調達、顧客側の履行状況次第で、見込まれる支払いの時期や価値が下振れする可能性がある。
市場では発表を受けてBitdeer株が一時急騰し、報道では最大23%上昇とされた。その後上げ幅を縮小し、発表時点の確認可能な直近株価は約11.37ドルで、前日終値比約7.8%高だった。
Bitdeerは依然としてハイブリッド運営を続ける。6月時点で自社マイニング能力は73 EH/s、同月の生産は990 BTC。AIクラウドの年換算ランレート売上は約7,600万ドルで、稼働率は95%と説明している。
財務面では、1-3月期(Q1)の売上高は1億8,890万ドル、純損失は1億5,950万ドル。3月31日時点の現金および拘束性現金は2億9,770万ドル、借入金は約19億ドルとしている。
今後の注目点として、Bitdeerは8月10日に4-6月期(Q2)決算を発表し、米東部時間午前8時から電話会議を予定している。投資家は、建設資金の調達計画とコストの詳細、Tydalの工事進捗とスケジュール、契約の会計処理、Tydal由来の売上がいつ計上に寄与し始めるかといったガイダンスを見極めることになる。
電力リッチなビットコインマイナーが、IRENやHIVEを含めAI向けワークロードへ設備を転用する動きは広がっている。安定的な契約収益が期待できる一方、初期投資の負担と顧客の信用力が成否を左右する。
今回のVoltaとの大型契約は、BitdeerのAI戦略における商業面の大きな前進となる。ただし最終的な価値は、資金調達、建設・運用の実行力、延長オプションや信用補完が想定通り実現するかに左右される。