コールドカードのハッキング被害116百万ドルも、ビットコインは6.4万ドル近辺で小動き
AI マーケットサマリー
Coldcardのハードウェアウォレットにおける重大な脆弱性により、1億1,600万ドル超の継続的な盗難が可能となり、セキュリティリスクが高止まりする中、ユーザーが資金を移動させるにつれて取引所への流入が急増している。別途、Strategyが開示したBTC売却と追加のウォレット移動が、供給上振れ圧力への懸念を強めている。政策面では、Clarity Actのクロージャー投票が失敗する可能性が高く、短期的な規制面での楽観が後退した。BTCは6.4万ドル近辺を維持しているものの、ニュースフローはリスクオフであり、ボラティリティを高める可能性がある。
影響度
● 高い
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ビットコイン(BTC)は6万4,000ドル近辺で推移している。直近1週間は、ハードウェアウォレット「Coldcard」を巡る被害拡大、マイケル・セイラー氏率いるStrategyの追加売却、米議会でのClarity Act(クラリティ法)審議停滞と、悪材料が相次いだ。
■要点
・Coldcard関連の盗難被害は今週だけで累計1億1,600万ドル超。第4波では日曜夜に388.9 BTCが一度に移動した。
・ビットコイン開発者のJames O'Beirne氏が用意した追加エントロピーなしの"トリップワイヤー"ウォレットは、1時間以内に攻撃者に吸い上げられた。
・Capriole InvestmentsのCharles Edwards氏は、ビットコインの生産コスト(採掘者が1BTCを生産する総コスト)を5万4,000ドルと試算。BTCが6万4,000ドル近辺で揉み合う中、強気派はこの水準を下値の目安として意識している。
■悪材料続きでも崩れないBTC
通常であれば下落してもおかしくない1週間だった。Coldcardの不具合を突いた流出は、7月30日にエクスプロイトが表面化して以降、複数回にわたり継続している。
Strategyは、今年3度目となるBTC売却を開示。1,638 BTCを約1億470万ドルで売却した。さらに水曜日には、同社に紐づくウォレットから別途1,030 BTCが移動し、市場では"第4弾"の売却を警戒する声が強まった。
ワシントンでは、Clarity Actのクロージャー(討論終結)採決が不成立となる見通し。上院民主党が倫理を巡る協議で難色を示した。Polymarketでの"2026年に成立する"確率は、きょう時点で27%から23%へ低下した。
それでもBTCは大きく崩れず、高値からは大幅に下げた水準ながら、6万4,000ドル近辺で粘り強く推移している。
■攻撃は継続中、可視化される被害
今週最大の懸念はColdcardの脆弱性だ。カナダのCoinkiteが製造する一部デバイスで、2021年3月に遡るファームウェアのバグにより、リカバリーシードのエントロピーが128ビットではなく約40ビットしか生成されないケースがあるとされる。これにより、長期保有者の資産が総当たり攻撃(ブルートフォース)の対象になり得る。
Bitcoin.com Newsは、被害者の内訳やリスクにさらされる対象をまとめた詳細分析を公開した。攻撃は終息しておらず、現在は公に追跡されている。
O'Beirne氏は、進行中の盗難を追うライブダッシュボードを立ち上げ、脆弱なデフォルトシードを使った"トリップワイヤー"の未使用トランザクションアウトプット(UTXO)をネットワーク上に設置。追加エントロピーの有無や程度を変えたところ、追加エントロピーなしの管理用ウォレットが1時間以内に流出し、攻撃者が脆弱なシード空間を継続的にスキャンしている実態を示す結果となった。
Coinkiteは出荷を停止し、問題のファームウェアで製造された在庫を廃棄したという。顧客に対しては、"何年もかけて貯めた資金が消え、何年もかけて築いた信頼が壊れた"と説明。影響を受ける機器の利用者には、直ちに新しいウォレットへ資金を移すよう促している。ファームウェア更新だけではリスクが解消しないと警告した。
日曜夜には第4波として388.9 BTC(約2,900万ドル)が一度に移動した。
■下値の目安は"生産コスト"か
強気派がよりどころにしている指標の一つが生産コストだ。Capriole Investments創業者のEdwards氏は、採掘者が1BTCを生産する総コストが現在5万4,000ドルにあると示唆し、電力コスト部分は4万ドルとされる。
過去のサイクルでは、底値局面で価格が生産コストを下回る場面が毎回あった。足元の6万4,000ドルは依然として上振れ(プレミアム)している一方、下値の"床"は比較的明確とも言える。
加えて、Coldcard利用者が不安から資金を移す動きで取引所への流入が急増。Strategyには承認済みの売却枠がなお50億ドル残る。今週のClarity Act採決不調も、8月の休会前にもう一段の悪材料として意識され、ビットコインの評価を再び揺さぶる可能性がある。